この記事は最終更新日から2年以上経過しており、内容が古くなっている可能性があります。
ご理解の上、記事を閲覧いただければと思います。
今回は、ドメイン取得業者(またはレジストラ)にて取得したひとつの独自ドメインで、「メールはGoogle Apps(G Suite)のGmail」で、「サイト閲覧はさくらインターネットのサーバ」に設定する方法を紹介します。
上記イメージ画像のような設定を行うためには、DNSの「レコード設定」が必要です。
基本的に、ドメイン・Webサーバ・メールサーバを全部同一サーバで運用していると、「レコード設定」はあまり意識することがないので、初めての方には少しハードルが高く感じるかもしれません。
また、設定に失敗するとメールが届かなくなったり、Webサイトが表示されなくなったりしてしまうので、事前準備をしっかり行ってからとりかかりましょう。
この記事ではなるべく設定ミスのないよう、DNSレコード設定の際に注意すべき点についても詳しく記載しました。
参考にしていただければ幸いです。
1. 「MXレコード設定」ができるドメイン管理業者を使う
独自ドメインでGoogle Apps(G Suite)のGmailを使いたい場合、「MXレコード設定」ができるドメイン管理業者を使うことは必須となります。
(ちなみに「DNS設定」はできても、MXレコードの設定ができないところもあるので、必ず確認するようにしてください)
もし、MXレコード設定ができないドメイン管理業者の場合、以下の「POP設定」を使う案もありますので紹介しておきます。
(MXレコード設定できる場合は飛ばしてこちらからご覧ください)
MXレコード設定できるドメイン管理業者に移転できない場合「POP」を使う
例えば、ドメインの残り契約期間が少なかったり、なんらかの理由でMXレコードの設定ができる管理業者に移せない場合、「POP設定」でGmailを使うという手もあります。
ただし、その場合以下の2つの制限があります。
(POP設定を使う場合は、この後に紹介する「DNSのメールサーバ設定」する必要はありません)
- 【制限1】メール受信までタイムラグがある
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POP受信はリアルタイム受信ではないので、場合によっては、1時間以上受信されない時もあります。
なので、すぐにメールをチェックしたい場合、「更新(Refresh)」ボタンを押したり、ブラウザをリロードする必要があります。
- 【制限2】5つまでしか受信メールアドレスの設定ができない
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Gmailの場合、POP3による受信アドレスは5つまでしか設定できません。
(送信アドレスはいくつでも設定できます)
それでは、以下からレコード設定の出来るドメイン管理業者(レジストラ)である「お名前.com」を例に解説していきます。
2. DNSレコード(Aレコード、MXレコード、NSレコード)設定を行う
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お名前.comにて、ドメインの新規登録またはドメインの移管をしたら、「ネームサーバーの設定」→「DNS関連機能の設定」→「DNSレコード設定」とページ移動します。
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DNSレコード設定する「対象ドメイン」を選択し、下記画面で設定をおこなっていきます。
設定する項目は、Aレコード2つ(wwwありとwwwなし両方でサイトにアクセスさせる場合)、MXレコード7つです。
上記画面に、Aレコード、MXレコード、NSレコードを入力していきますので、続いてそれぞれのレコードの確認・設定方法を紹介します。
Aレコードの設定方法
Aレコードに入力するのは、サーバのIPアドレスになります。
(さくらのネームサーバのIP【プライマリネームサーバ、セカンダリネームサーバ】ではありませんのでご注意ください)
さくらサーバでの「サーバのIPアドレス」の確認方法は、管理画面にログインしたのち、「サーバ情報の表示」→「サーバに関する情報」の、下記画像の箇所に記載されています。
また、サイトが公開中の場合であれば、こちらのWhois情報検索にドメインを入力し、「正引きIPアドレス」からでも確認できます。
MXレコードの設定方法
MXレコードの設定方法は、Google Apps(G Suite)のヘルプページに以下のように記載されているのですが、このままコピーペーストしてもうまく動作しません。
実は、上記には各文字の末尾にドット(.)が抜けているため、そのままコピーペーストした場合、正確に設定できず、いつまでたってもメール受信ができません。
なので、「値 / 応答 / 参照先」の各文字列の末尾には、お名前.comの管理画面へコピーペーストする際、必ずドット(.)をつけるようにします。
(ちなみに、お名前.comの「確認画面」では、入力した文字が小文字になってドットが消える(隠れる)のですが、ドット(.)が入力されていないと正確に動作しません)
NSレコードは自動で設定される
NSレコードは(お名前.comのDNSを使っているので)、基本的に自動で設定されます。
念のため「01.dnsv.jp / 02.dnsv.jp / 03.dnsv.jp / 04.dnsv.jp」になっていることを確認しましょう。
登録済みレコードのまとめ
ここまで紹介したAレコード、MXレコード、NSレコードの設定をまとめると、下記のようになります。
ホスト名 | TYPE | TTL | VALUE | 優先 |
---|---|---|---|---|
独自ドメイン | A | 3600 | サーバのIPアドレス | – |
www.独自ドメイン | A | 3600 | サーバのIPアドレス | – |
独自ドメイン | NS | 86400 | 01.dnsv.jp | – |
独自ドメイン | NS | 86400 | 02.dnsv.jp | – |
独自ドメイン | NS | 86400 | 03.dnsv.jp | – |
独自ドメイン | NS | 86400 | 04.dnsv.jp | – |
独自ドメイン | MX | 3600 | ASPMX.L.GOOGLE.COM. | 10 |
独自ドメイン | MX | 3600 | ALT1.ASPMX.L.GOOGLE.COM. | 20 |
独自ドメイン | MX | 3600 | ALT2.ASPMX.L.GOOGLE.COM. | 20 |
独自ドメイン | MX | 3600 | ASPMX2.GOOGLEMAIL.COM. | 30 |
独自ドメイン | MX | 3600 | ASPMX3.GOOGLEMAIL.COM. | 30 |
独自ドメイン | MX | 3600 | ASPMX4.GOOGLEMAIL.COM. | 30 |
独自ドメイン | MX | 3600 | ASPMX5.GOOGLEMAIL.COM. | 30 |
また、実際の設定画面の画像イメージは以下のようになります。
ちなみに、レコードの登録作業に時間がかかっていると、お名前.comの管理画面がタイムアウトしてしまうので、レコード設定の値は、別途テキストエディタなどにメモしておくとよいでしょう。
Google Apps(G Suite)側の設定
Google Apps(G Suite)の登録方法や設定方法はここでは省略しますが、お名前.comのレコードがきちんと設定されていれば、Google Apps(G Suite)側にドメインが反映されます。
Google Apps(G Suite)でユーザー作成すれば、作成したユーザー名+ドメイン名でGmailを使用できるでしょう。
最後にさくらインターネットのサーバ上にあるwebサイトのデータが問題なく閲覧でき、Gmailが送受信できることを確認すれば完了です。
なお、DNS(レコード)が、Webに浸透するのに最大48~72時間ほどかかるといわれていますが、経験上(環境にもよりますが)5分~2時間程で変更が確認できることがほとんどでした。
大変に参考になりました。
お陰様で何とか大ピンチを乗り越えることが出来ました。本当にありがとうございます。
>トムさん
お役に立ててよかったです!
大変参考になりました。
ところで、さくらサーバ側 (当方はXserver使用) のDNS設定は不要でしょうか。
また、Gmailを読み込むのに、ASPMX2, 3, 4, 5.GOOGLEMAIL.COM. のMXレコードは必須でしょうか。
宜しくお願い申し上げます。
>しげさん
サーバ側のDNSは使わず、ドメイン管理業者(お名前.com)のDNSを使う方法ですので、サーバ側ではとくに設定する必要はないかと思います。
>ASPMX2, 3, 4, 5.GOOGLEMAIL.COM. のMXレコードは必須でしょうか。
上記、5つのMXレコード設定については必須ではないと思いますが、念のため設定しておくのが良いかと思います。
(サーバがダウンした際の保険として5つあるため)
参考になれば幸いです。m(_ _)m
すいませんが、教えていただきたいことがあります。
同じようなやり方で、お名前.comで独自ドメインを取得し、これまではG Suiteでメールのみドメインを使用していました。
私の場合だとメール(@domain)はG Suiteで運用、サイトはXserverでの運用に変更しようと設定を変更しました。
すると、メールは送信できるのですが、受信ができなくなってしまいました。
どのように対処すればよいでしょうか。
さくらサーバーをご使用の方にご相談する話ではないと思うのですが、色々調べても私と同じような方がいなかったので、ご連絡・ご相談しました。
設定
お名前.comのネームサーバー設定をXserverのものに変更。
お名前.comのDNS設定はMXレコードもG Suiteのものを記載しております。←とくに設定は変更しておりません。
>Tacchanさん
Xserverでも設定内容は全く同じですので(いただいた文面だけからの判断にはなりますが)おそらくレコード設定にミスがあるのではないかと思います。
(ちなみに、当サイトがまさしくG Suiteでメール運用+Xserverでサイト運用ですので^^)
丁度、お名前.comのドメイン+Gsuite+さくらサーバーの組み合わせで運用が必要になりまして、
設定に大変困っていたところ、ウェブジェネ様の解説を見つけさせて頂きました。
親切でとても丁寧な内容をありがとうございます。
参考にさせて頂きます(*^^*)
一点だけ不明な点がありましてもしご存じでしたら教えて頂きたいのですが、
お名前.comの設定は「DNS関連機能の設定」以外に「ネームサーバーの変更」設定はしなくても問題ないのでしょうか?
さくらですと
プライマリネームサーバ ns1.dns.ne.jp
セカンダリネームサーバ ns2.dns.ne.jp
というネームサーバーの情報があると思います。
他にも親切な解説をされている方がいらして、
ネームサーバーの設定と「DNSレコード設定用ネームサーバー変更確認」にチェックを入れる解説をされていました。
https://www.d-mata.com/blog/gsuite/
個人的にはDNSレコード設定だけの方がトラブルが起きづらいかなと思いまして
ウェブジェネ様のご解説の方法で設定を考えております。
回答に困るような内容でしたら大変申し訳ございません。
よろしくお願い致しますm(_ _)m
>フランチェスコさん
「ネームサーバーの変更」設定は、「DNS関連機能の設定」の「NSレコード」の設定にあたりますので、別の値を入れると設定はうまくいかなくなると思います。
(後で設定した方が反映されるのではないかと)
また、「DNSレコード設定用ネームサーバー変更確認」にはチェックを入れることで、お名前.comのNS(ネームサーバー)レコードに「01.dnsv.jp」~「04.dnsv.jp」が自動的に入力されると考えていただければ!
平野 ジュンヤ様
急な質問にも関わらずとても丁寧にご回答頂き本当にありがとうございますm(_ _)m
是非参考にさせて頂きます!
平野 ジュンヤ様
現在、お名前ドットコムの独自ドメインをG suiteにてメール運用しておりますが、
こちらのサイトのように「G Suiteでメール運用+Xserverでサイト運用」にしたいと思っております。
Xserverでドメインの追加(独自ドメイン)を行ったところ、
ネームサーバーが当サービス指定のネームサーバーになっていません。
ご利用いただくにはネームサーバーを以下のネームサーバーに変更いただく必要があります。
ネームサーバー
ネームサーバー1: ns1.xserver.jp
ネームサーバー2: ns2.xserver.jp
ネームサーバー3: ns3.xserver.jp
ネームサーバー4: ns4.xserver.jp
ネームサーバー5: ns5.xserver.jp
とエラーが出てしまったのですが、こちらでご紹介いただいている方法ではだめなのでしょうか?
こちらでご紹介していただいているAレコードの設定は完了しております。
どうかご教授いただければと思います。
>ミニドラゴンさん
お名前.com側のネームサーバーを使う設定になっているのであれば、Xserver側でそのエラーが出るのは問題ないはずです。
サイト表示がうまくいかないのであれば、お名前.com側のレコード設定にミスがあるか、設定がまだ浸透していないかのどちらかかなと思います。
はじめまして。全く同じ状況なのでとても参考になりました。
しかしちょっと問題が解決しなく、ご教示いただけると助かります。
他のドメインのメールから今回設定したGmailに送受信はできるのですが、なぜかGmail同士だとエラーで返ってきてしまう状況です。
○○○@iCloud.com ←→○○○@独自ドメイン.com は送受信可能
○○○@gmail.com ←→○○○@独自ドメイン.com だとエラーで返ってくる
リモート サーバーからの応答:
550 5.7.1 … Relaying denied. Proper authentication required.
という感じです・・・。何かおわかりになりますでしょうか?
それだけの情報だと判断が難しいですね…何かGmailの認証が通っていないメッセージではありますが。。。
このページすごいですね、どれだけの人を助けたのでしょうか。
本当に救われました…ありがとうございます。
心より感謝申し上げます。
助けになりまして何よりです!