はーい。勉強熱心なビジネスパーソンの皆さんこんにちは。
MMRラジオ(※前回参照)の時間です。
今回のお悩みは、とある企業に入社して5年目、27歳男性の方からの投稿です。
今の会社に、同期で入社した友人がいます。
入社式の時、たまたま席が隣で意気投合し、それから仲良くなっていったのですが、彼はあらゆる仕事で成果をあげて評価され、出世していきました。
これまで、営業部、制作部、企画部と、部署をローテーションしているのですが、すべての部署で成果を上げて評価されているようです。同期として勝手にライバル視しつつ、私も彼と同じぐらい日々努力しているつもりなのですが、なかなか彼のように成果を上げられず、追いつくことができません。
やっぱり仕事の能力についても、才能みたいなものがあるのでしょうか?
27歳 男性 T.Hさん
・・・あぁ、いるんですよね。
世の中にはこういう、どんな仕事もこなすパーフェクト超人が。
Tさんがこの超人を見返してやれるような、優秀な「できるヤツ」になれるアドバイスってありますかね?コアラ先輩。
まぁ、この質問だけでは判断できない部分が多々あるが・・・。
いわゆる「仕事ができる」ってある種の才能で、遺伝子レベルで決まっている部分があるらしい。
そ、そんなご無体な・・・
話し終わっちゃうじゃないですか(空気読めよ)。
オレだって認めたくはないけど、以下のような研究結果があるんだよね。
仕事ができる・できないを決定づけてしまうもの
2004年1月、イギリスの科学誌ネイチャーオンラインに「難題に立ち向かった科学者」として評価された7人の科学者がいた。
Neuroscience: Of mice and mentality : Nature
その7人の中の1人、脳科学の分野に名を記されたアメリカの心理学者ルイスメイツェル(Louis D Matzel)博士は、マウスの知能における個体差を研究していた。
メイツェル博士は、マウスを使って迷路テストを試すと、どんな集団にも「できるマウス」と「できないマウス」が必ずいることに気付く。
さらに、「できるマウス」はどんな種類のテストをしても平均的によくできたという。
よって、一つの試験を行えば他のテストの成績もある程度予想できてしまうらしい。
メイツェル博士によれば、このように
ということだ。
ということは、個人の仕事能力というものは、この「なんでも一様にできる能力」を生まれ持っているかどうかで決まってしまっている、ってことですか?
・・・なんということでしょう!
ま、あくまで50%だけどな。
この手の“才能や遺伝子で決まってる”系の研究の話は、大体50%ってのが通例だ。
以下の記事なんかでもそうだし。
実際に“遺伝”がどの程度知能に影響するのか線引きが曖昧なところではあるが、同じ遺伝子を持った一卵性双生児を調査したところ、遺伝子が知能指数に与える影響は50%であったという。
それでも、やっぱり仕事能力が、“生まれもっての才能である”ってなると、なんだか世知辛いですね・・・。
まぁ、才能の有無はそれに気付けるかどうかも含め、運みたいなもんだけどさ。
その才能や能力を“最大限発揮させられるかどうか”という点では、最も重要なものは別にあるんだよね。
才能を引き出すのに必要なのは「熱中する能力」
先のメイツェル博士によれば、個々の「なんでも一様にできる」能力を決めた重要な要素は「好奇心」と「注意力」だったそうだ。
どんな仕事でもよくこなす人は好奇心が強く、注意力・・・つまり「集中力」が高い人というわけだ。
それを裏付けるかのように、IQテスト(知能指数テスト)の設立に貢献したフランスの心理学者、アルフレッド・ビネー(Alfred Binet)はこんなことをいっている。
人間の能力には大切な要素があって、そのうちの一つは熱意、つまり「熱中する能力」である。
だから、結局は物事に対して好奇心を持ち、熱中することができなければ、すぐれた才能をもっていたとしても、それが発揮されることはないということだ。
ともかく物事に関心を持ち、「熱中すること」が大事か・・・。
でも、その「好奇心があって、物事に熱中できるか否か」すら、遺伝子で決まっている可能性もあるんじゃないですか?
・・・実はその可能性も研究されているんだけど、まだ明確な結論はないらしい。
・・・ただ、これはオレの考えなんだけどね。
例えば、赤ん坊や小さい子どもを見てるとさ、彼らはもれなく「好奇心の固まり」だと思うんだよね。
だから、「好奇心」というものは、本来“すべての人間に備わっている才能”なんじゃないかと思うんだ。
人間は、脈々と受け継いできた「好奇心」という才能をもっている
赤ん坊は、自分の視界に入るものは、何にでも興味を持って近づくし手に触れようとする。
これは、生きていく上で必要な「学び」となることを、遺伝子に刻まれているからだと思うんだ。
そもそも、人間の祖先が生き残ってヒトに進化できたのは、この「好奇心」を脈々と受け継いできたからではなかろうか。
木の上で生活していたヒトの祖先は、大規模な氷河期に直面したとき、木から下りて食料となるものを探し求めるようになった。
そして、世界中のあらゆる場所へ活動地域を広げ、狩りの技術を身につけ、火を扱うようになり言葉を話すようになっていく。
このように、人類の祖先は「地面に降り立つ好奇心」と「自分にとって未知の世界を生き抜く注意力」を持っていたグループのはずだ。
もしも、「“好奇心”や“物事に熱中できるか否か”までが遺伝子に刻まれている」というのなら、赤ん坊を見れば分かるとおり、それは「ヒト」という種すべてに備わっているはずなんだ。
なるほど・・・。
だから、なにより「好奇心」は、育てて鍛えることが重要なんだ。
例えばもしTさんが、何かを見たり聞いたりした時に、あまり注意を傾けず「ふーん・・・」とスルーする気質があるとしたら、まずはそれを意識して、物事にもう少し興味関心をもってみることが大事なのかもしれない。
相談の文面からはその辺りまでは読み取れませんが、ライバルに勝つことを急ぐあまり、「手法」などの方法論に走ってしまい、仕事に深い関心をもって取り組めていないのかもしれないですね。
ま、「好奇心」と一口にいっても、中には悪い方向にいってしまう好奇心もある。(芸能人の不幸について躍起になったり、逆に注意力をうばってしまったりなど)
そのあたりについては、この「子どもは40000回質問する」っていう本を読んでおくと、深い理解が得られると思うよ。
まとめ
- 仕事のできる・できないは「何でも一様にできる能力」があるかないかで50%決まっている。
- 能力を発揮する上で重要なものは「好奇心」と「集中力」、そして物事に熱中できるか否か。
- 「好奇心」が才能というのであれば、それはヒトという種には必ず備わっているはずのもの。
・・・それはそうと、よく考えたら、人類だのなんだのを語っている僕ら自身は、類人猿でも人間でもないですね。
オレらのことは・・・まぁアレだ。
ディズニーの『ズートピア』みたいなもんだから。
あぁ、主人公のウサギも「ズートピアは、誰でも何にでもなれる場所」って言ってましたね。
・・・でもこの映画、僕ら(コアラとカモノハシ)って出演してましたっけ?
・・・
ナマケモノと、カワウソなら・・・。
・・・惜しいっスね。
(種族からして違う気がするけど)
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