市場はセグメンテーションして矢を放て!

さて、今回はマーケティングにおけるターゲットマーケティング、
セグメント市場に対する「選択」を紹介します。

限定した市場を選択してそこに対しマーケティング諸活動を行なうことをターゲットマーケティングと呼びます。ターゲットマーケティングの登場までには、時代とともに下記のような変遷がみられます。

マスマーケティング 市場全体に1種類の製品を放つ
製品多様化マーケティング 市場全体に複数の製品を放つ
ターゲットマーケティング ターゲットを設定して製品を放つ

もちろん市場に放つものは製品(財・サービス)。
これにはターゲット=標的ということに対して「矢」という表現が使われたりします。

セグメンテーションが有効・効果的な条件
市場をセグメントしたとしてもそれが有効でなければ駄目なのです。

セグメントした市場側、会社企業側両方に効果的となる条件が、大きく分けて以下の4つとなります。


測定が可能
セグメントにおける規模、購買力が測定できること。調べられなければ解りません。

維持が可能
利益確保のための最低限の規模があること。ニッチすぎる市場では収益があがりません。

到達が可能
そのセグメントに到達できること。つまり製品・サービスを提供できるチャネル(プレイス)、
流通方法・経路があること。商品を提供できなければ意味がありません。

実行が可能
そのセグメントに対し、マーケティング活動できるだけの十分な内部資源(ヒト、モノ、カネ、情報)があること。

ちなみに、実行可能かどうか、内部資源だけでなく、外部環境も含めて調査することは
と呼ばれます。海外展開などをするときの調査・報告を含めこう称されております。


セグメントの選択
さて、セグメンテーションされた市場に対し、
セグメントを選択する段階に至れば、その選択方法は下記のように分類できます。


segm-1.jpg

上記の画像は左から
単一セグメント集中化製品も市場もシンプルにひとつに絞る
選択的特定化シナジー効果の期待よりもリスク分散の意味が高い。
市場特定化特定市場に特化して、製品を提供する。特定の顧客と強いパイプをつくったり、市場における名声を得る必要がある。
製品特定化特定の製品分野で名声を得るようなパターン。「●●といえば●●会社」のようになればしめたものである。


上記4つに加え、市場セグメントしたにもかかわらず
矛盾をはらんでいそうな「全面カバー」という選択が存在します。

全面カバー
資源も豊富な大企業のみが選択可能なパターンではありますが、
全面カバーはさらに下記2つに分類されます。

 差別化マーケティング

それぞれのセグメントに適した製品や諸活動を行なう。
コストを考えると相応の規模のある企業だけが実行できます。

segm-2.jpg


無差別マーケティング

市場の異質性を理解しながらもあえて単一の製品を市場全体に放つ方法です。
エポックメイキングをもたらしそうなi phone、i padが無差別マーケティングだと思われます。

segm-3.jpg


世の中の企業、製品・サービスというものは、
基本的には図らずもセグメントされた市場の上に成り立っています。

もちろんターゲットマーケティングを意図して行なっている企業は問題ありませんが
自覚なしの企業の場合、新たな戦略を展開する際は非常に無謀であることも少なくありません。

もちろんマーケットインが全てではありませんが
企業側の「やりたいこと」だけで戦略を進めていっては成功する確率も
非常に低くなっていくでしょう。

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