CMM(capability maturity model)と品質・価格・納期のバランス

CMM(capability maturity model)は、現在では外部の情報システム開発業者の標準的
評価尺度になっており、ソフトの開発案件を委託する際の条件として利用されることもあります。

多くの開発業者で認定取得に向けた取り組みが行なわれているらしいのですが、
日本ではそのほとんどがレベル1だそうです。

今やCMMレベル5最多の国はインドで、CMMレベル5=最高の能力と開発プロセスと思いがちですが、下記のブログを読むとそうでもないようです。



CMMのレベルと(個人的な)イメージ

レベル 内容 イメージ
レベル1 混沌としている 場当たり的で一貫性がなく、プロセスが確立されていない かけだしの独立プログラマ
レベル2 基本的な管理のレベル 特定個人に依存した経験則による管理 マニュアルはないがリーダー的人物の頭の中にプロセスがある
レベル3 プロセスが定義されたレベル 組織として一貫した標準プロセスを持っており、成果物が明確にできている プロセスがマニュアル化され、共有されている
レベル4 定量的に管理されたレベル 標準化されたプロセスを定量的に測定し、予測が可能な段階 実践経験が伴いプロセスからズレの少ない提案ができる。
レベル5 最適化されたレベル 技術・要件環境の違いによって標準プロセスを最適化し、継続的にカイゼンできている段階 標準プロセスをもとに、教育、マニュアル改善により、それが定期的に改善されていく



品質・価格・納期の3本柱
CMMとは別の切り口ですが、
システム/プログラム開発の3本柱である「品質」「価格」「納期」のうち、
多くのシステム開発企業では、とれるのは2つまで、という話をお聞きしたので、
まとめてみたいと思います。
cmm_3.gif


納期が遅い 品質は良く、金額も安くしようとすれば、納期は遅くなる。
金額が高い 品質が良いもので、納期も早めようとすれば、金額は高くなる。
品質が悪い 金額は安く、納期も早めるのならば、品質は悪くなる。

3本柱をひとつも落とすことなく、開発を完了させられるのならそれにこしたことはありませんが、
現状ではなかなか難しいことのようです。

もちろんこれは委託先の開発会社だけの問題ではなく、
委託する側もそのシステムについて求める内容を明示する必要(RFP:Request For Propsal=提案依頼書の作成等)があり、開発における要件定義、仕様作成など様々な点において協力する体制が不可欠であります。

そのシステムで解決したい課題は何か?=そのシステムでやりたい事(目的)は何か?

システム開発会社は、クライアントの頭の中を覗くことはできませんし、
打ち合わせに参加できなかったキーパーソンの重要意見を、スケジュールに組み込んでおくことはできません。

仕様の不明確さで、多くの内容がズレてできあがったしまったものを
「スパイラルモデル開発」や「プロトタイピング」、「アジャイル開発手法の「RAD(Rapid Application Development)」といった名前に置き換え、出来上がってからそのズレを継続的に改修していくこともあると思いますが、何より出戻りが少なく、無駄な工数が増えないにこしたことはありません。

目に見えない課題解決を提供する、システム開発は
サービスの特質を備えており、サービスマーケティングに通ずるものが多くあると感じます。


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