労働集約型から知識集約型へ Webとサービスマーケティング

サービス(役務)を提供する企業は、当然ですがカタチあるものを提供している
企業とのマーケティングとは大きく異なります。

サービスの定義

アメリカマーケティング協会(AMA)によると下記のように定義されています。

販売のために提供される、もしくは財の販売と結びついて提供される諸活動、便益、満足。

また、サービスにはモノにはない様々な特質があります。

サービスの特質

s-teigi-tokusitu.jpg

1.無形性
   カタチがない。

2.品質の変動性
  人によって、あるいは時期によって品質が変動してしまう

3.非貯蔵性
  在庫を持つということができない

4.生産と消費の不可分性
  上記の在庫ができないということは生産と消費が同時に行なわれるということ。

5.不可逆性
  返品することができない。

6.需要の時期変動性
  特定の時期や時間帯に集中する。

7.労働集約性
  人による提供に依存しているため、生産を増やすには人を増やす必要がある。


至極当たり前の事かもしれませんが、ミーシー(もれなく、だぶりなく)でまとめれば、
上記の7つの特質となります。

そして、サービスにおけるマーケティングは、下記の3つのマーケティングで成立しています。

サービス業におけるマーケティング

s-m.jpg


エクスターナルマーケティング
  企業が外部の顧客に行う。

インターナルマーケティング
 自社の従業員に対して行なうマーケティング。

インタラクティブマーケティング
サービスエンカウンターを媒体として、接客要員(コンタクトパーソネル)と顧客の相互作用に働きかけるマーケティング。


そして、サービスの7つの特質に対して、同時に発生する下記の課題を如何に解決していくかが、
サービスを提供する企業の成長の肝となります。

サービスマーケティングの課題
1.サービスコンセプトの確立
2.品質の均一化
3.生産性の向上
4.需要の調整

と、つらつらと、当たり前の事を挙げさせて頂きましたが、特質における7番の労働集約性、及び
課題の2.品質の均一化、3.生産性の向上については、
我々のようなWebの制作やディレクション、クリエイティブな職務を行なう個人や組織には、
特に該当する重要なことであります。

これらの重要さを認識し、改善へ向けた実行計画、行動を出来るかどうかが、
組織が成長するかしないかである。と、言い切れると考えています。

例えば、課題である生産を増やし、品質を均一化するため、
拡張性の乏しいパッケージ品や、柔軟性の無い業務フローやスキームを組んでしまえば、
クリエイティブ、差別化されたサービスの提供というのが失われて行く可能性もあります。

特質である7番の労働集約型ということを鑑みれば、流れ作業やライン生産のように
なりかねません。


市場が異質な需要の集合体であり、これだけニーズの多様化した現代では、

如何に労働集約型から知識集約型へ、つまり量より質へとスパイラルアップしながらも、同時に
サービスマーケティングの課題も解決していくという、時には矛盾をはらむ状況を
どんどん打破していくことが必要だと感じています。

日進月歩すぎるWeb業界における組織の成長はSECIモデルによる知識創造スパイラルからの
マニュアル=人材育成を常に実行・改善し、ひいてはコアコンピタンスを強化成長し続け、
POMCマネジメントサイクルを回し続ける、そんな企業が生き残っていくのだと思います。


本当にかなりのスピード感で(もちろんやっつけや突貫工事ではなく)サービスを
開発、提供、改善している企業はそれが業績にあらわれていると思います。

Share SocialMedia

Related

Commentコメント頂けると喜びます。

名前(ニックネーム)
コメントを書く

TrackBackこの記事を論及・引用、関連記事にして頂けたらありがたき幸せ。

PageTop

Search

Categoryを絞り込んで検索

Category

Calendar

show

Archive

AFFINGER4

Popularities

賢威
×