ライリー=コンバースの法則をネット上のSERPsで考えてみる
公開日 2011年01月03日
「商圏」を規定する方法のライリー=コンバースの法則を、ネットショップとSEOで考えてみます。
ちなみに「商圏」とは商業施設が顧客を吸引できる地理的範囲のことで、
ネット上には商圏という概念は存在しません。
もちろん、この場合は"ネット上のみ"で商売を完結させる企業の話であって
店舗来店型の企業がSEM(GoogleAdwordsやYahooリスティング)を行う際には
言語やIPから広告出向範囲=商圏を設定できますし、無視してはなりません。
(IPによる住所判別はプロバイダ次第で正確では無いこともあります)
ライリー=コンバースの法則は商圏を論理的に規定する方法です。
ライリーの法則は小売吸引の法則ともいわれ、2都市間のそれぞれの小売吸引力を計算します。
コンバースの法則とは小売商圏分岐点公式とも呼ばれ、名前の通り2都市間の商圏分岐点を導き出す方法です。
いずれも、顧客は 距離が遠くなるほど店や町に行くのを嫌がり
店や町が大きくなるほどいきたがるという考えに基づきます。
演習をしてみます。下のような状況のC村があったとします。
C村からAshop、Bshopにいく人間の数を法則に従い求めると
Ashopの小売吸引力:Bshopの小売吸引力は
1:1になりますので、C村からは250人ずつがAshop、Bshopに行くと考えられます。
偶然1:1になってしまったので、商圏分岐点もこの通りですが、
念のためコンバースの法則で計算してみますと
で、12kmで1:1なので間違いないですね。
この法則をネット上で例えてみます。
「距離」はSERPsの順位としましょう。
「ショップの大きさ」はネットショップの取り扱い商品数、知名度など、
要するにそのショップの魅力度と考えます。
※ハフモデルの考え方の方が近いかもしれません。
演習
小売吸引力対比を計算してみます。
計算すると1:5という結果が導き出され、
検索数5000に対してAshopの訪問数833:Bshopの訪問数4166という結果になりました。
割り切れる数字にしとけば良かった。(´・ω・`)
しかしながらネット上であれば、即離脱して次の順位のサイトを見るなど造作も無いこと。
検索結果の順番を距離に置き換える場合は考慮が必要になりそうです。
現実の世界でいけば、SERPs1位~5位の距離なんてほぼゼロ距離、瞬間移動です。
でもさすがに検索結果1ページ目と2ページ目ではアクセス数は変わりますので
5位毎ぐらいで区切り、差をつけた方が良いかもしれません。
「ショップの大きさ」≒「魅力度」という数値で表せないものの中には
口コミや比較サイトによる評判、ユーザーの店舗に対してのブランドロイヤルティ、
ブランドパトロナージュなどがあります、これらはまあ実在の店舗と変わりませんね。
アマゾンや楽天やYahooショッピングをすでに使っているユーザーなのであれば
ポイントが使えたり、商品送付先やカード情報を再度入力する手間もありません。
自社サイトがこれら魅力度(知名度)抜群のサイトとどのような差別化をし、メリットを
与えられるかを提示し、まずは戦える土俵にたった後、ネット上の商圏(SEO、SEM)を
考えることですね。
(もちろんSEO内部施策はWebサイト企画製作段階でちゃんと考えておかないと後からでは
面倒、対策できないような事態になることもあります。)
※サムネは駿河湾を望む静岡御前崎灯台付近 良い景色です。
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